【Rec-POT/Rec-On】開発:2002年
将来主流になると確信
テレビもアナログ放送からデジタル放送の時代を迎えた。 まだ、コンテンツが少なかった2000年12月、ちょうどBSでデジタルハイビジョン放送が始まった頃だった。アイ・オー・データはまだどのメーカーも手をつけていない分野にいち早く着目した。
Rec-POTの現行モデルを担当する増田は、開発当時をこう振り返える。『2001年にメーカー主催の展示会に出展されていたハイビジョン用チップを、たまたまうちのハードエンジニアが見つけてきたんです。当時はまだハイビジョン番組も殆ど認知されておらず、ハイビジョンレコーダーは皆無でしたが、「ここ2〜3年で立ち上がってくる!という思い(感覚)があり、市場が出来上がる前に実績を作っておかなければ」という気持ち(想い)になったそうです。』
徹底的に無駄を省いて機能も価格もスリムに徹する
アイ・オー・データがハイビジョンレコーダーを製品化するには、家電メーカーとの差別化が必要だ。パソコン周辺機器メーカーだからできるレコーダーを作りたい。 早速、開発チームで検討が始まった。アイ・オー・データらしい製品をアピールするための大きなポイントはパソコン周辺機器で培った技術と発想だ。必要な機能だけを盛り込むことで無駄を省けるのではないか。それによって価格も低く抑えられる。方向性は決まった。
当時発売されていたハイビジョンレコーダーは大多数がプロ用で、高額のものがほとんどで40万円台も珍しくない。この市場にハードディスクドライブ容量 80Gで5万円以下の製品をぶつけよう!と意気込んだ。
そのためにどこを削ぎ落とせるか。徹底検討した中で、まず液晶画面をなくした。誰かが「チューナーは必要ないんじゃないの」と衝撃的な発言をした。 たしかにレコーダーにチューナーが付いているということは常識だと思っていた。しかし、言われてみればテレビと重複する機能である。また、その当時は「ハイビジョン番組(放送)を見る=デジタル放送用STBを接続する」ニーズがあった。 『「既にあるTVチューナーに接続するレコーダーでいい!」「新たに購入するレコーダーにチューナー付きはいらない」と考える人がいたっておかしくない。逆に「不要なチューナーを外してくれたおかげで割安に買えた!」と思ってもらえたら大成功。これこそ周辺機器メーカーの発想だと思います。』と増田。そしてRec-POTは「ハイビジョン録画/再生に特化したハードディスク」という位置づけに決まった。
これが当社が位置づける「AV」でも「デジタル」でもOK「家電周辺機器」の始まりである。
PCライクなデジタル家電
この時期、似たような製品としてハードディスクビデオレコーダ「Rec-On」が発売された。こちらはハードディスクを交換したり、外してパソコンにつないでファイルの移動や削除をしたりすることも可能である。USB2.0に対応した高速転送ケーブルを使えば、1時間番組を約10分でバックアップできる。
ハードディスクを交換できることについて社長の細野は『素人に機器のカバーを外させるなんて、家電メーカーは絶対に考えない仕様。それで壊れたら、誰が責任を取るんだ、ってね。PCに周辺分野があるように、デジタル家電にも周辺分野があるべき。この分野こそ今後注目すべき分野になっていく』とアイ・オーの将来を描く。「デジタル家電の周辺分野」とは、耳慣れない言葉かもしれないが、もっとデジタル家電を使いやすくするためには、PCやテレビ側で補完する部分がますます面白くなる。PCライクなデジタル家電−。新しい時代の流れが見えてきた。
【歴代のRec-POT】 |
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■初代Rec-POT HVR-HD80
ディスクモードおよびD-VHSモード(メニュー無し)、HDD容量80GBの初代モデル。 |
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■2代目Rec-POT S HVR-HD120S、250S
D-VHSモードにタイトルリスト表示がついた最初のモデル。容量も120GB/240GBにアップ。
また筐体も、初代の外付HDDの見た目からガラッと変え、横置きタイプに変更 |
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■3代目Rec-POT M HVR-HD160M、250M
2004年4月〜の地デジ放送開始に併せて、デジタル放送コピーワンス施行。 それを見据えて、コピーワンス対応(Move対応)モデルとして4月に発売。 また、より家電要素を取り入れた、完全「横置きタイプ」のAVデザインに一新。 |
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■4代目Rec-POT F HVR-HD160F、250F
3代目Mシリーズの機能はそのままに、番組Moveする際に便利な「編集機能」をプラスし、ユーザーからの声も製品に反映させ、リモコンを全面的に変更。 (カードリモコン→家電リモコンへ) また、家電リモコン採用と併せて、筐体サイズはそのままに、より家電(=レコーダー)にと、フロントデザインを一新! |
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■5代目Rec-POT R HVR-HD250R、500R、(法人モデル:200Rも用意)
現行モデル
筐体サイズ/デザインは4代目のFとほぼ同等で、ユーザーの声、要望を取り入れたモデル。
ボタン1つで録画が出来る「1発録画機能」搭載。市場動向/ニーズより、大容量500GBモデルも投入! |