2006年 カートリッジスタイルという発想

【ネットワークハードディスク「HDL-GT」】開発:2006年

カートリッジスタイルで利用シーンの多様化を提案

企業向けソリューションを広く一般に

ネットワーク&ストレージ開発部 ネットワークストレージ開発課 北村泰紀ハイビジョン放送の開始による高画質化や、動画コンテンツの大容量化により個人ユースでも大容量ハードディスクの需要が年々高まっている。
また、それに比例するようにハードディスクの容量あたりの単価はますます抑えられ、より利便性が求められてきている。


そんな状況下で、ハードディスク企画担当の北村は、「従来企業向けに作られていたデータバックアップ用大容量ハードディスクのコンセプトは、近い将来、広く一般に求められるようになるのではないか。企業にとって便利な機能は、個人にとっても同様のはず。価格を抑え、使い勝手を改良することでハードディスクの新たな価値を広く提案したい。」と開発をスタートさせた。

それまでにもハードディスクを複数台使ってディスク上のデータを守るRAIDの開発においては長い実績がある。ホットスワップ(システムの電源を入れたままでハードディスクを抜き差しすること)やオートリビルド(新しいハードディスクに交換後特殊な設定なしにもとの安全な状態に自動修復する機能)などデータセーフティソリューションに関するコンセプトを一般向けに応用すべく模索を始める。

カートリッジという発想

広報宣伝部 デザイン課 麻生譲 従来企業向けの大容量ハーディスクに採用されていたキャニスターやリムーバブルトレイなどとも呼ばれていた交換用のカートリッジ機構を、個人ユースに活用できないだろうか。北村が2年ほど前から温めていた構想を、製品デザイン担当の麻生が形にする。

「デザイン開発の最初の案は、北村さんにダメだしされて・・・」と麻生はデザイン案を前に笑う。
「今後の展開を考慮しずっと長く使え、既存のものにとらわれないシンプルなデザイン、広く一般に受け入れられる使いやすさ、それでいて存在感のある目新しさ」と北村の注文は多い。
デザインの検討は何度も繰り返された。要望を満たしつつ、信頼性を維持するために、高温を発するハードディスクの熱を逃がすためのエアーフロー(空気の流れ)を考慮しなくてはならない。


その結果、ユーザー視点に立った利便性の高いデザインになったと自負する。「LED表示とLOCKスイッチを兼ねたスライドノブや、空気吸入孔とカートリッジ引出し用取っ手を融合させるなど、目立ちませんがいろいろアイデアが詰まっています。」と麻生。

Relational HD Systemの提案(リレーショナルエイチディーシステム)

HDL-GTシリーズカートリッジを中心としたハードディスク製品群の完成により、ますます一般向けの用途が広がっていくと北村は構想を語る。


「ハードディスクが自在に可般できるカートリッジになることで、家庭のパソコンを個人ごとに環境を切り替えて使ったり、データの受け渡しにカートリッジそのものを使うことが可能となります。デジタル家電製品との連携が実現すれば、ビデオカセットのようにハイビジョン映像を大容量カートリッジに保存して、個人の映像ライブラリを作ったりと、パソコンだけにとらわれず、趣味に実用に、いろいろな用途が広がって行きます。」


ハードディスクをカセット感覚のメディアとして、様々な装置に展開していくアイ・オー・データが提案する新しいスタイルのストレージソリューションを「Relational HD」と名づけた。 「Relational HDから生まれる新しいハーディスクの使い方が拓く未来が楽しみです。」と北村は今後の展開に向けてすでに動き始めている。

〜2006年の出来事〜
・第20回の記念大会として、トリノオリンピックが開催される。
  フィギュアスケートの荒川静香選手がショートプログラムで金メダルを獲得。
  イナバウアーブームが広がる。
・FIFAワールドカップサッカードイツ大会が開催される。
・41年ぶりの皇族男子として秋篠宮文仁親王と秋篠宮妃の第一男子として悠仁親王が誕生。
・5年あまり続いた小泉政権(戦後歴代3位の長期政権)が幕を閉じる。
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