(記事公開日:2024年9月2日)
ノートパソコン一台で作業をしていると、画面のスペースが足りなくて困ったという方もいるでしょう。また、プレゼンテーションを行う際にプロジェクターへの接続方法が分からず、焦った経験をした方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、ノートパソコンを外部モニターに接続して効率的に作業を行う方法や、大画面で映像を楽しむ設定について解説します。複数のモニターを使用することで広がる新たな可能性を見ていきましょう。
ノートパソコンを外部モニターに接続することで、作業効率アップやプレゼンテーションの効果的な実施が可能になります。また、エンターテインメントをより満喫できるでしょう。ここでは、具体的な用途として、デスクトップ画面の拡張、プロジェクターによるプレゼン、大画面での楽しみ方を紹介します。
ノートパソコンの画面だけでは手狭に感じるときは、外部モニターを接続してデスクトップ画面を拡張しましょう。作業領域がぐんと広がり、効率アップが期待できます。
たとえば、メインの画面でレポートを作成しながら、サブの画面で参考資料を表示するなど、用途に合わせて使い分けられます。高解像度の4Kモニターを選べば、より広大なデスクトップを実現できるでしょう。
プレゼンテーションでは、ノートパソコンの画面をプロジェクターや大画面モニターに映し出すことで、より多くの情報を伝えることができます。大画面で資料を共有すれば、説得力のあるプレゼンが可能になるでしょう。
また、外部モニターに接続すると、ノートパソコンの小さな画面に縛られず、自由に動きながら説明できるというメリットも生まれます。4K解像度に対応した高画質モデルなら、より鮮明で迫力ある映像を映し出せます。
HDMIケーブルを無線化してPC画面の表示とタッチ操作をワイヤレスに!
ノートパソコンを大画面の外部モニターに接続すれば、映画やゲームをより楽しめます。高解像度のモニターを使えば、まるでホームシアターのような臨場感あふれる体験もできるでしょう。
たとえばレースゲームなら、スピード感がより伝わってくるのではないでしょうか。また、映画鑑賞では細部まで鮮明に表現されるため、映像美を堪能できます。大迫力のアクションシーンや美しい風景描写など、ディテールまでしっかりと見られるのは大画面ならではの魅力です。
ここでは、HDMIやUSB Type-Cなどの有線接続、ThunderboltやDisplayPortを利用したデイジーチェーン接続、そしてワイヤレス対応ディスプレイへの無線接続など、さまざまな接続方法について詳しく解説します。
まずは、ノートパソコンとモニターに搭載されている端子の種類を確認しましょう。一般的にはHDMI、DisplayPort、USB Type-Cなどが使用されています。
■端子の特徴
HDMIは広く普及しており、動画や音声を一度に伝送できる便利な選択肢です。一方、DisplayPortは高解像度・高リフレッシュレートであり、最新規格であれば8K画像を120Hzの速さで出力できます。USB Type-Cは最新のノートパソコンで主流となっており、多機能性や拡張性が高いのが特徴です。
USB Type-Cとはどのような規格?主な機能やメリットを紹介
デイジーチェーン(数珠つなぎ)接続とは、複数のデバイスを一連に直列で接続する方法です。各デバイスが次のデバイスに信号を送る形で連鎖的につながり、モニターだけでなく、コンピューターネットワークやオーディオ機器の接続などでもよく使用されます。
たとえば、1台目のモニターをノートパソコンに接続し、2台目のモニターを1台目のモニターに接続することで、複数のモニターを一つのビデオ出力ポートから使用できます。これにより、配線の手間を減らし、複数のモニターをシームレスに使用できる利点があります。
デイジーチェーン接続をするには、デバイスやコードが次の規格に対応している必要があります。
ワイヤレス投影機能を内蔵したディスプレイであれば、独自の無線規格でノートパソコンに接続可能です。ワイヤレス非対応ディスプレイであっても、次の方法で無線接続が可能です。
・Miracastの活用
WindowsパソコンやAndroidデバイスが対応しているMiracastという規格を使えば、専用アダプターをディスプレイのHDMIポートに接続することで、ワイヤレスで画面を投影できます。ただし、著作権保護されたコンテンツの再生には制限があります。
・AirPlayやGoogle Castの活用
Apple商品を使用している場合、AirPlayとApple TVを利用してディスプレイに接続できます。Google Castの場合、Chromecastをディスプレイに接続することで、対応するAndroidデバイスやChromeブラウザーからワイヤレスで画面を投影できます。
・ワイヤレスHDMIエクステンダーの活用
ワイヤレスHDMIエクステンダーとは、有線のHDMIコードを無線化する機器です。送信機をノートパソコンのHDMIポートに接続し、受信機をディスプレイのHDMIポートに接続することで、ワイヤレスで映像と音声を送信できます。Miracastと違い、コンテンツ保護技術(HDCP)にも対応しています。
ワイヤレスで4K対応モニターに接続! PC画面の分割表示やタッチ操作も無線化
Windows 11を搭載したノートパソコンと外部モニターを接続した後の表示方法や配置、解像度の設定について解説します。それぞれの設定は、基本的にデスクトップを右クリックすると出てくる「ディスプレイ設定」を選択して行います。または、「Windows」+「P」キーで表示される「その他ディスプレイ設定」から行う方法もあります。
「ディスプレイ設定」から選べる「マルチディスプレイ」の項目では、お好みの表示モードを選択できます。「拡張」モードを選ぶと、ノートパソコンの画面が外部モニターにまで広がり、より広い作業スペースを確保できます。
一方、「複製」モードでは、ノートパソコンと外部モニターに同じ画面が表示されるので、プレゼンテーションなどに便利です。
さらに、「1のみに表示する」や「2のみに表示する」を選択すれば、どちらか一方のディスプレイだけを使用することも可能です。これは、ノートパソコンのふたを閉じて外部モニターだけを使いたい場合などに使用します。
各モニターの位置関係も調整できます。たとえば、ノートパソコンを中央に置き、外部モニターをその左右どちらかに配置したい場合は、モニターアイコンをドラッグして並べ替えます。また、モニター番号の割り当ても変更可能です。一般的に、メインで使うモニターを「1」に設定します。
さらに、「画面の向き」から画面を縦に回転させることもできます。画面を縦にすることで、プログラミングやコーディングでは縦長のコードを一度に多く表示でき、スクロールの手間が減ります。また、文書の編集や読書では縦書きの文書や電子書籍を自然な形で表示できるでしょう。作業内容に合わせて好みの配置に設定してください。
解像度は接続している各モニターごとに設定できます。解像度を変更したいモニターを選び、「ディスプレイの解像度」からお好みの解像度を選択しましょう。たとえば4Kモニターを使用する場合は、「3840 x 2160」を選ぶと高精細な表示を楽しめます。
基本的には「推奨」がおすすめですが、モニターのサイズや使用目的に合わせて最適な解像度を見つけてください。変更後は、「適用」ボタンを押して設定を保存しましょう。
MacBookなどのmac OSでは、「システム環境設定」内の「ディスプレイ」から外部モニターの配置や表示設定を行います。外部モニターを接続した状態で「ディスプレイ」を開くと、各モニターの配置を示す図が表示されるので、ドラッグ&ドロップで実際の配置に合わせたり、解像度を選んだりしましょう。
基本的な内容はWindows環境と同じですが、mac OS独自のオプション設定もあります。以下はその一例です。
オプション | 内容 |
---|---|
True Tone | 周囲の環境光に応じてディスプレイの色温度と輝度を自動的に調整する機能 |
オーバースキャン | ディスプレイとしてテレビを使用していてメニューバーが表示できない場合に使用 |
アンダースキャン | テレビをディスプレイとして使用していて、映画または番組の周囲に黒いバーを表示させたくない場合に使用 |
Night Shift | 夜間にディスプレイの色温度を暖かく(黄色がかった色調に)する機能。目の疲れを減らし、睡眠の質を向上させることを目的としている |
外部モニターを接続した状態でノートパソコンを直接操作するのではなく、別途キーボードとマウスを用意して作業したい方もいるでしょう。そのようなときはノートパソコンのふたを閉じて使用する「クラムシェルモード」に設定するのが一般的ですが、デフォルトではスリープしてしまう機種もあるため、設定の変更が必要です。
メーカーによって異なる場合もありますが、一般的には次の手順を踏みます。
mac OS12以降で、Apple M1チップ搭載環境では、特別な設定をしなくてもクラムシェルモードを利用できます。それ以前のバージョンでは次のとおりに設定します。
クラムシェルモードでノートパソコンを長時間使用すると、キーボード面からの放熱ができないため、熱がこもりやすくなります。劣化の原因になりかねないため、冷却対策が必要です。
お手軽なのは冷却台(パッド)の使用や外部ファンの使用です。冷却台を使用することで底面の通気口に十分なエアフローを提供し、熱を効果的に排出できます。また、外部ファンを使用することで、ノートパソコン周辺の空気を循環させ、効率的に熱を放出します。
ノートパソコンと外部モニターがうまく接続できない場合に考えられる原因は次のとおりです。
・コードや端子の問題
コードは正しく接続されているでしょうか。「よく見たら外部モニターの電源コードが抜けかかっていた」というのはよくある話です。合わせて、端子にホコリや異物が詰まっていないかもチェックし、必要に応じて清掃しましょう。別のコードを試してみることも有効です。
・ディスプレイの設定問題
ノートパソコンのディスプレイ設定を確認し、外部モニターが認識されているか確認しましょう。設定メニューからディスプレイの検出を試みたり、表示モード(拡張、ミラーリングなど)を適切に設定したりします。なお、設定した画面解像度にモニター側が対応していない場合、画面が正しく表示されないことが多いです。
・無線の場合は接続状態やインターフェイスの相性問題
Bluetoothのデバイス一覧で外部モニターが正しく認識されているか確認し、再接続を試みます。また、Bluetoothのドライバーが最新であることを確認し、必要に応じてアップデートします。インターフェイスの相性が悪い場合、別の接続方法を検討することもあります。
・ハードウェアの問題
外部モニターやノートパソコンのハードウェア自体に問題がある可能性があります。外部モニターを別のデバイスに接続して動作するか確認し、問題がノートパソコン側にあるかモニター側にあるかを特定します。
・放熱問題
ノートパソコンの過熱により接続が不安定になることがあります。放熱対策として、冷却台や外部ファンを使用し、ノートパソコンを冷却します。エアフローを改善し、通気口をふさがないように配置を工夫することも重要です。
アイ・オー・データの液晶ディスプレイは多彩なラインアップを誇り、さまざまな接続方式に対応しています。USB Type-CやHDMIなど多種多様な端子を備えたモデルがそろっており、ノートパソコンと簡単に接続できます。また、4K対応モデルも多く、高解像度の美しい映像を楽しむことができます。
たとえば、「LCD-C241D-Fシリーズ」は、フリースタイルスタンド採用の23.8型ワイド液晶ディスプレイで、さらに広視野角ADSパネルを採用しており、どの角度から見ても鮮明な映像を提供します。さらに、ブルーライト低減機能やフリッカーレス設計など、健康に配慮した機能も充実しています。
多様なニーズに応え、より快適な作業環境を提供するディスプレイは他にもたくさんあります。絞り込み機能を備えた比較サイトも用意しているので、ぜひチェックしてみてください。
大画面モデルやゲーミングモニター、個人・法人向けまで幅広い商品ラインアップから比較!
ノートパソコンと外部モニターを接続する方法は決して難しくありません。USB Type-CやHDMIなどを活用すれば、多様なシチュエーションで大画面を最大限に利用できます。利用目的に応じた外部モニターを選び、冷却対策も忘れずに行いつつ、快適で効率的な環境を堪能しましょう。
商品選びで迷っているなら、アイ・オー・データの液晶ディスプレイ比較サイトをご利用ください。「カテゴリー」「画面サイズ」「最大解像度」「パネル種類」「入力端子」など、豊富な絞り込み機能からお好みの外部モニターを比較できます。
I-O Knowledgeコラム 編集部では、液晶ディスプレイとHDD&NASのストレージデバイスを中心に、IT業界に関わる基礎知識と最新トレンド情報を選りすぐりでお届けします。
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