ビジネスNAS入門|バックアップ

バックアップとは

バックアップとは、保存されたデータを守るために、別の記憶媒体(HDD・NAS・BD・DVD など)にデータの複製を作成することです。(データを移動させることは「バックアップ」ではありません。同じデータが2ヶ所以上の場所にあることを「バックアップ」といいます。)

RAIDとバックアップの違いはこちら

バックアップの必要性

業務効率化のために、NASをファイルサーバーとして導入する企業が増えています。
ファイルサーバーの大容量化に伴って、これらのデータの消失により、ビジネスに多大な影響が生じます。

人為的なミスや、予期しないハードウェア障害によるデータ消失のリスクは常に潜んでおり、その対策のために「バックアップ」は必須です。

主なバックアップの種類

イメージバックアップ

  • HDD全体やドライブ単位で外付けHDDに丸ごとバックアップを行い、「イメージファイル」として保存するデータ保護方法です。
  • 復旧する際は、OSを含め一気にリカバリーできるので、システム全体を比較的簡単に復旧できます。データ容量が多い場合は、バックアップや復旧(リストア)に、数時間がかかることがあります。

ファイル単位のバックアップ

  • ファイルとフォルダーを定期的に外付けHDDにコピーします。変更のあったファイルだけをバックアップすることで、バックアップ時間を短くすることもできます。
  • オペレーションミス等で、誤ってファイルを削除や更新がされた場合も、外付けHDDにあるバックアップデータから必要なファイルだけを選んで、すぐリストアができます。

レプリケーション

  • NASを2台使用して、メイン機のデータが更新された場合に、自動的にバックアップ機にデータをコピーし、常に同一の状態としておく方法です。
  • メイン機本体が故障した場合、バックアップ機に切替えて運用再開させることで、故障時からの復帰が早く、業務への影響を最小限に抑えることができます。

主なバックアップ方式

主なバックアップ方式の仕組みと、各バックアップ方式の違いは以下の通りです。

■イメージバックアップの方式

バックアップ方式の「フル/増分/差分」という3つの種類には、以下のようにバックアップデータ量やバックアップ時間、復元にかかる手間(回数)に違いがあります。
そのため週末にフルバックアップ、平日夜間に増分/差分バックアップを組み合わせて運用するのが一般的です。

データ容量 バックアップ時間 リストアの回数
フルバックアップ × 多い × 長い ○ 1回で済む
増分バックアップ ○ 少ない ○ 短い × 多い(順番)
差分バックアップ △ 少し多い △ 少し長い △ 2回必要

当社LAN DISKのバックアップ機能

各シリーズに対応している主なバックアップ機能・ソフトウェアは以下の通りです。

シリーズ名 LAN DISK H LAN DISK XR LAN DISK A LAN DISK Z
イメージバックアップ 非対応 非対応 非対応
ファイル単位のバックアップ
  • 履歴差分バックアップ
  • データコピー機能
  • 履歴差分バックアップ
  • バックアップ(履歴モード)
  • ネットワークバックアップ
  • クローン for Windows
レプリケーション
  • レプリケーション
  • レプリケーション
  • バックアップ(同期モード)
  • ※ DFSレプリケーションはWindows Server 2003 R2以降のActive Directory環境に参加している必要があります。

その他、各種バックアップソフトウェアにも対応しております。

クローン for Windows

LAN DISK Zシリーズに提供される無償バックアップソフトです。NASを2台使用してマスター(メイン機)・スレーブ(バックアップ機)構成をとることで、マスターのデータや設定情報をスレーブに自動でバックアップすることができます。

  • 設定情報やユーザー情報もバックアップでき、マスター故障時もすぐに復旧できる。
  • クラウドストレージサービス「Microsoft Azure」へのバックアップ対応で災害対策もできる。

クローン for Windowsの詳細はこちら

データコピー機能

LAN DISK Hシリーズのパッケージとして機能提供され、コピー元の共有フォルダーからコピー先の共有フォルダーへ、フォルダー構造を維持したままコピーすることができます。(ファイル属性はコピー不可)
古いNASのデータをそのまま新しいNASへ移行できるため、NASの入れ替え時のデータ移行に便利です。

  • データコピー元共有フォルダー内のファイルを、ツリー構成を維持したままデータコピー先共有フォルダーへコピー可能。
  • LAN DISK H 本体のみでデータコピーが可能であり、PCなど他の機器が不要。
  • データコピー機能はスケジュール設定が可能なため、土日等の業務時間外での実施が可能。

※本機能はフルバックアップのみ対応です。
※バックアップJOB数は最大20個まで作成可能。

履歴差分バックアップ

  • バックアップについて
    履歴差分バックアップの場合、初回はフルバックアップです。2回目以降は、前回のバックアップからの差分だけがバックアップされるため、時間と容量を節約できます。
    ※バックアップデータは毎回フルバックアップしているように見えますが、実際は差分のみバックアップされているため、バックアップ先ドライブ全体の使用量は節約されています。
  • バックアップデータの復元について
    バックアップ先からのデータの取り出しは、フォルダー単位やファイル単位で可能です。また、全データの一括復元もできます。
  • 古い世代管理のデータについて
    履歴数を設定すると、履歴数を超えたタイミングで、一番古い履歴バックアップデータを自動的に削除します。古いデータによる容量圧迫も防止できます。
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