USB Type-Cとはどのような規格?主な機能やメリットを紹介

(記事公開日:2024年2月2日)

USB Type-Cとはどのような規格?主な機能やメリットを紹介

#選び方 #Type-C ブラックのUSB Type-Cケーブル

PCやスマートフォンに周辺機器を接続する際は、USBが広く用いられます。USBのコネクターの形状はさまざまで、その中のひとつがUSB Type-Cです。

USB Type-Cを搭載したデバイスは多種多様ですが、従来のUSBポートと比べてどのようなメリットがあるのか分からない人もいるのではないでしょうか。この記事では、USB Type-Cの特徴とメリットを紹介します。

USB Type-Cはコネクターの規格

並んでいるさまざまな規格のUSBケーブル

USB Type-Cとは、PCやスマートフォンに周辺機器を接続する目的で使用するコネクターの規格です。以前から広く用いられているUSB Type-Aと比較すると、小型で多くの機器に搭載しやすいという特徴があります。

上下対称の楕円形デザインで、どちらの向きでも接続できるのもメリットです。USB Type-Cのピン数は24で、USB Type-Aの4ピンやUSB 3.0 Type-Aの9ピンと比べると多くなっています。

USB Type-Cを搭載する主なメリット

USBケーブルで充電している途中のPC

多くのメリットがあるため、さまざまな機器がUSB Type-Cを搭載するようになりました。EUでは、2024年までにスマートフォンの充電端子をUSB Type-Cに統一すると決定し、その後ノートPCも対象にすると決まったことが、その普及をさらに後押ししています。

ここでは、従来型のUSB Type-Aと比較しながら、USB Type-Cの主な4つのメリットを見てみましょう。

USBポートを小型化できて利便性が高い

USB Type-Cの採用により、USBポート自体が小型であるため、狭いスペースや小型機器に搭載しやすくなっています。この特性は、ノートPCやスマートフォン、タブレットなどのコンパクトな機器だけでなく、多種多様なデバイスに適しています。

また、上下に区別がないため、「向きが違っていて挿入できない」という問題を防ぐことができ、これによりユーザーにとって使いやすい規格となっています。

1本のケーブルでデータ通信と電力供給の両方ができる

USBは主にデータ通信と電力供給に使用されます。USB Type-Cには、データ通信を行いながらも大電力を供給できるという魅力があります。特に、USB Power Deliveryなどの規格と組み合わせた場合、受電側の機器が対応していれば、最大240Wまでの電力供給が可能です。

従来のUSBでは、USB 2.0は最大約2.5W、USB 3.0は最大約4.5Wの電力供給が可能ですが、より大きな電力を供給するためにはUSB Power Deliveryなどの高電力をサポートする規格が必要です。USB Type-Cを採用することで、多機能性と統一性を備えた一本のケーブルで幅広い機器の電力供給とデータ通信が可能になります。

音声や映像を伝送できる

PCからディスプレイに音声・映像を伝送するには、一般的にはDisplayPortやHDMIといった専用のケーブルを使用していました。しかし、USB Type-CのAlternate Modeに対応している機器であれば、1本のケーブルで音声や映像の信号をまとめて伝送できます。

USB Type-Cは、DisplayPortやHDMIと比べてコネクターが小さく、ケーブルも細いため、コンパクトな設計が可能です。この特性は携帯用機器に限らず、多くのデバイスにとって使いやすいといえるでしょう。

接続元/接続先双方に同じコネクターを使用できる

従来のUSB Type-Aは、ホストとデバイスが異なる物理的なコネクターを持つため、ケーブルの両端を同じ形状にすることはできませんでした。

一方、USB Type-Cはホストとデバイスを区別して動的に入出力を切り替える機能を搭載しているため、両端を同じ形状にすることが可能です。

USB-Type B、mini USB、micro USBなど、さまざまなコネクターが乱立している現状では、ケーブルの種類が増えてしまっている方も多いでしょう。USB Type-Cの普及により、これらの異なるコネクターを置き換え、ケーブルをまとめることが可能になります。

コネクターにUSB Type-Cを使用した規格

100W出力できるUSB PD対応ポート

一部のデータ転送や電力供給の規格では、コネクターの形状はUSB Type-Cのみを使用することと定めています。具体的にどのような規格がUSB Type-Cを使用しているのか見てみましょう。以下で紹介するものは、いずれも徐々に普及が進んでいる規格です。

【電力供給】USB Power Delivery

USB Power Deliveryは大きな電力を供給するための規格で、USB PDとも呼ばれます。スマートフォンやタブレット、ノートPCの充電に幅広く用いられていて、最大で240W(48V 5A)の電力を供給できるのが特徴です。

USB PDは、機器が必要とする電圧と電流を通信を通じて自動で識別し、適切な電力を供給できます。USB PDに対応する機器の充電用ケーブルを1本にまとめられるのは大きなメリットです。

ただし、出力電圧・電流を識別するための抵抗を実装していないなどの理由でUSB PDに対応していない機器もあり、充電できないケースもあるため注意しましょう。

【データ転送】USB4

最新の高速データ通信を実現した規格にUSB4があります。この規格では、シングルレーンで最大20Gbps、デュアルレーンで最大40Gbpsの転送速度を提供します。

シングルレーンは1つのデータチャネルを使用し、USB 3.2 Gen 2と同等の速度ですが、デュアルレーンでは2つのデータチャネルを使用して速度を2倍に増加させます。

これにより、外部ストレージの接続や、高解像度のディスプレイへの映像伝送など、大容量のデータを送受信する目的に特に適しています。

【データ転送】Thunderbolt 3/Thunderbolt 4

USB Type-Cコネクターを使用したデータ転送の規格には、Thunderbolt 3やThunderbolt 4もあります。最大40Gbpsの通信速度を実現し、2023年時点ではPCとディスプレイを接続して映像を伝送する用途で広く用いられる規格です。

Thunderboltは最大5台のデイジーチェーンに対応し、多くのディスプレイをはじめとしたデバイスをスムーズに接続できます。

USB Type-Cを搭載したデバイスの例

スマートフォン下部のUSB Type-Cポート

USB Type-C は、PCやスマートフォン以外にも幅広く使われています。すでに多くのデバイスが搭載しており、今後はさらに増えるでしょう。ここでは、具体的にどのようなデバイスがUSB Type-Cを採用しているのか紹介します。

デスクトップPC/ノートPC

デスクトップPCやノートPCと周辺機器を接続するためのコネクターとして、USB Type-Cが広く採用されています。デスクトップPCはマザーボード上やPCケースに、ノートPCは側面部分に、従来型のUSB Type-Aとセットで搭載しているのが一般的です。

MacBookのように、USB Type-Cポートしか搭載していないPCもあります。ポータブルSSDのような高速通信に対応した外部ストレージを接続するのに役立つポートです。

スマートフォン

AndroidやiPhoneといったスマートフォンのコネクターでもUSB Type-Cが一般的に用いられています。充電やデータの転送など、さまざまな用途で使用するポートです。

Androidはかつてmicro USBが主流でしたが、2015年以降はUSB Type-Cに切り替えています。iPhoneシリーズでは、iPhone 15シリーズがUSB Type-Cを搭載したデバイスです。

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ディスプレイ

PC用のディスプレイは、Alternate Modeに対応したUSB Type-Cポートを搭載したものがあります。PCがAlternate Modeに対応していれば、1本のケーブルで接続して音声・映像の伝送と電力供給が可能です。

特に、持ち運んで使用するモバイルディスプレイの場合、ケーブルを1本にまとめて荷物を減らせる点が大きな魅力といえるでしょう。

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外部ストレージ

標準でUSB Type-Cに対応している外部ストレージもあります。スティックSSDやUSBメモリーがその一例で、変換ケーブルを使用しなくともPCやスマートフォンに接続できるのがメリットです。

中には、USB Type-CとUSB Type-Aの両方に対応した外部ストレージもあります。そのような商品を選べば、USB Type-Cポートを搭載していないデバイスでもスムーズに利用できます。

充電器

高速充電規格のUSB PDに対応したコネクターがUSB Type-Cのみであるため、多くの充電器がUSB Type-Cポートを搭載しています。

ケーブル1本でスマートフォンやノートPCに充電可能で、多くのデバイスを所持する方にとって心強い存在です。供給できる電力は充電器によって異なるため、詳しい仕様を確認してから購入しましょう。

USB Type-Cケーブルを選ぶときのチェックポイント

グレーのUSB Type-Cケーブル

USB Type-Cを採用する商品を活用する際は、ケーブル選びにも気を配らなければなりません。さまざまな商品がUSB Type-Cを採用しており、複数種類のケーブルがあるためです。ここでは、ケーブル選びで意識したい2つのポイントを紹介します。

利用したい規格に対応しているか

USB PDやAlternate Modeを利用する際は、デバイスだけでなくケーブルも利用する規格に対応していなければなりません。USB Type-Cケーブルであればすべての規格に対応しているというわけではないため、仕様を確認した上で購入しましょう。

正規認証を受けているか

市場に出回るケーブルの中には、粗悪品も存在します。粗悪品のケーブルを使用すると、正常に充電できなかったりデータ転送時にトラブルが発生したりするおそれがあるため、注意が必要です。

粗悪品を避けるには、正規認証を受けた商品を購入することをおすすめします。正規認証品であることは、商品ページ内の説明や外装に記載されているため、忘れずにチェックしましょう。

アイ・オー・データではUSB Type-Cのメリットを生かした商品を販売

マザーボード上に実装されたUSBポート

アイ・オー・データでは、USB Type-Cのメリットを生かした商品を提供しています。ここでは、通信速度の速さを生かしたSSDと1本のケーブルでPCと接続できるディスプレイについて見てみましょう。

USB 10Gbps(USB 3.2 Gen2)でのデータ転送に対応したSSD

アイ・オー・データでは、USB 3.2 Gen 2接続に対応し、USB Type-CとUSB Type-Aの両方を搭載したSSDをラインアップしています。

USB Type-Cしか搭載していないMacBookやスマートフォンで利用する場合でも、変換ケーブルやアダプターは必要ありません。複数のデバイス間でデータをやりとりする機会が多い方は、ぜひアイ・オー・データのSSDをご検討ください。

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ケーブル1本でPCへの電源供給と映像出力ができるディスプレイ

DisplayPort Alt Modeに対応し、ケーブル1本で映像の出力と電源供給が可能なディスプレイも販売しています。ノートPCを接続して使いたい方におすすめです。

ただし、ケーブル1本で映像出力と電源供給の両方を行うには、DisplayPort Alt Modeに対応したケーブルが必要な点に注意しましょう。

ディスプレイにはUSBハブ機能を搭載しており、本体のUSBポートにキーボードやマウスを接続すれば、PC接続時にすぐに使用できます。利便性を重視する方に向いているため、ぜひご検討ください。

また、アイ・オー・データでは、デイジーチェーンに対応したディスプレイも販売しています。

PCから1台目のディスプレイ、1台目のディスプレイから2台目のディスプレイに直列接続することでディスプレイを増やせるため、接続が簡単です。複数台のディスプレイを接続したい方におすすめです。

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まとめ

ノートPCにUSB Type-Cケーブルを接続する様子

USB Type-Cはコネクター規格のひとつで、さまざまな周辺機器が採用しています。大電流を供給したり映像や音声を同時に伝送したりする目的でも活用されていて、ユーザーにとってもメリットが大きいコネクター規格といえるでしょう。

アイ・オー・データでは、USB Type-Cを採用した外部ストレージやディスプレイをラインアップしています。特にディスプレイはケーブル1本でPCと接続可能で、利便性が高いのが魅力です。ノートPCと接続して使いたい方に向いているため、ぜひご検討ください。

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